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州太  よくおいで下すつた。あちらでは、また、二葉がいろいろ……。 青木  いゝえ……。前以て電報でもと思つたんですが、その暇に来てしまへるやうな気がして……。割合、便利なとこですね。 州太  いや、今年はまだ……。これでも来年は余程活気を呈するでせう。二葉とも話したことですが……。 二葉  それぢや、お父さん、あちらで……。 州太  うん、わしも、後から行く。 二葉  (青木に)どうぞ……。 彼女は、首をうなだれたまゝ、先に立つて、青木を奥へ案内する。 新井  なんだ、さうだつたのか。 則子  あたし、一と目みて、さうだらうと思つたわ。 州太  (満足げに)やあ、わしも気がつかなんだ。さうか。さういふわけか。(新井に)すると、お前は別に用はないから、もう一度駅まで行つて、何か珍しさうな鑵詰を、三つ四つ頼んで来い。それから鶏を一羽とな。序に則子さんを送つて行つてあげろ……。自動車を使つてもいゝから……。 則子  ありがたいツと……。ぢや、さよなら……みなさんによろしく……。 則子と新井とが出て行くと、州太は、独りで室内を歩きまはる。 長い間―― やがて、とねが、跫音を忍んで現れ、州太の耳もとへ口を寄せ、何か囁く。 パワーストーン ブレスレット