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 あんな恥かしいところを見られたので自分は嫌われたと思いこむと、豹一はもう紀代子に会う勇気を失ってしまった。豹一が二三日顔を見せないので、彼女は物足らなかった。楽天地の前で豹一が物も言わずに逃げて行ったことも気に掛った。あんなに仲よくしていたのに、ひょっとしたら嫌われたのではないかと心配して、やがて十日も顔を見ないと、もう明らかに豹一を好いてる気持を否定しかねた。だから、二週間ほど経って、ふと彼の姿を見つけると、ほッとしてずいぶんいそいそした。しかるに豹一は半分逃足だった。会わす顔もないと思っていたところを偶然出くわしたので、まごまごしていた。いきなり逃げだそうとしたその足へ、とたんに自尊心が蛇のように頭をあげてきて、からみついた。あんな恥かしいところを見られたのだから名誉を回復しなければならない。からくも思い止って、豹一はいやによそよそしくした。そんな態度を見て、紀代子はいよいよ嫌われたという想いで、いっそう好いてしまった。それで、その日の別れぎわ、明日の夕方生国魂神社の境内で会おうと、断られるのを心配しながら豹一がびくびくしながら言いだすと、まるで待っていたかのように嬉しく承諾し、そして約束の時間より半時間も早く出かけて待っていた。デリヘル スタジオ 借りる時の地蔵顔、返す時の閻魔顔